洗脳の恐ろしさ ネットを悪用した事件

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2003年 イギリス・マンチェスター
16歳の少年が親友を刺して逮捕された。一体なぜ刺したのか・・・

事件の3か月前

少年はごく普通の高校2年生。

学校では仲間と女の子の話で盛り上がり、学校が終われば学費を稼ぐためにアルバイトをしていた。そんな少年は家に帰るとすぐに自分の部屋へ行き夢中になるものがあった。

それはネット回線によるチャット。そこで知り合った同い年の少女レイチェルとメッセージをやり取りするのが楽しかった。2人はすぐに両思いになったが、住んでいる所があまりにも遠かったため簡単には会えず、彼女への思いを募らせていた。

突然、レイチェルからあることを明かされた。ひとつ下のが少年の近くに住んでいると。少年はすぐに学校名と名前を聞き出し、レイチェルの弟を待ち伏せた。

学校から出てきた弟に事情を説明すると、弟はすぐに理解をして少年と仲良くなった。

弟からレイチェルの日常の話を聞くだけで少年の寂しさが少しは紛れた。やがて、毎日のように弟と会ってはレイチェルの話や互いの悩みを明かし合う友達同士になった。

そんな時だった、レイチェルから最近ケビンという男に付きまとわれていると。

細かい状況は教えてくれず不安がますばかりの少年。弟に確かめようとしたが、突然連絡がつかなくなり、レイチェルからもメッセージが来なくなってしまった。

連絡がとれなくなって一週間。少年は必死に調べてようやくレイチェルの弟のアパートを見つけた。弟と会い、レイチェルと連絡がとれないことを伝えると弟の口から「レイチェルは一週間前に亡くなった。葬儀は家族だけで済ませたが、死亡の不明な点が多く、身内以外には明かせなかった」と言った。

少年には思い当たることが

こうして少年は愛するレイチェルを失った悲しさとストーカー男に対するやり場のない怒りで
学校へもバイトへも行く気になれず、自宅にこもりがちになってしまった。

そんな少年を心配して訪ねて来るようになったのはレイチェルの弟だった。弟に励まされ続けたことで少年は少しずつ元気を取り戻していき、いつの間にか2人は親友関係になった。

そんなとき、少年のところにあるメッセージが届いた。


新たにパソコン上に現れた女性 ジャネット・トビンソン。彼女はイギリス政府の重要な仕事をしているという。チャットで少年に接触してきたジャネットは「政府は密かに怪しまれない民間の人材を探しているわ。あなたスパイをやってみない?」と言った。

にわかには信じられない話

だが、ジャネットはレイチェルが亡くなったことなど少年に起きた出来事を知っていた。それは政府による身辺調査によるものか・・・少年は考え、そしてジャネットの話を信用しスパイになる決心をした。

ジャネットから早速指示があった。

「ジェームズ・ベルを周囲に悟られることなくボディーガードせよ」という指示だった。

そのジェームズ・ベルという人物は、普段訳あって偽名を使っているというレイチェルの弟つまり親友であった。この任務に成功すれば正式な職員として迎えられる。これはスパイとなるテスト。

そして少年によるボディーガードが始まった。無事に1日を終え、任務に成功しスパイになれたと喜ぶ少年に次にとんでもない指令が出された。

ジェームズ・ベルをあやめる、つまり「親友をあやめろ」と

ジャネット「状況が変わったこれは決定事項よ。テロリストが彼を狙っている。奪われる前に処分すると政府で決定したの。でも安心して彼をあやめてもあなたが捕まることはないわ。私も現場へ行く。それから私と一緒にロンドンに行きましょう」と、言った。

テロリストたちの動きを封じるためにジェームズ・ベルを消さねばならない。少年は指示通りに刃物を用意し、刺す時には耳元で”愛しているよ兄弟”とささやくように言われ、あやめる方法や場所を細かく指示された。

2003年6月29日 少年は指令を実行し、親友を刺した。

あとはジャネットが来るはずだったが、来なかった。少年は震えながらも自ら救急車を呼び、そして事件が発覚。刺された親友は一命を取り留め、少年は街頭の監視カメラの映像が証拠となり逮捕された。

実はこの事件には衝撃の真実があった。

話は遡る。

少年とチャットで恋愛を楽しんでいたレイチェルは実は、弟と名乗る親友だった。

彼は存在しないレイチェルを作り出し、チャットで恋愛話を十分に盛り上げたあと存在しないストーカーを作り、レイチェルを死に追いやった。そして、謎の政府ジャネットもまた彼が作った架空の人物だった。

彼の目的はいったいなんなのか・・・

実は親友同士になる前から彼は少年に密かな恋心を抱いていた。

でも、告白もできない悲しい恋。そこで架空の少女レイチェルを作り、チャットで愛する少年と両思いになり楽しんだ。しかし「所詮 愛されているのは自分じゃない」その虚しさに耐えられなくなった彼は少年の愛するレイチェルを消し去った。とはいえ、少年から愛を受けれるわけもなく、その苦しさから政府のジャネットを登場させ指示を出し、命をかけて少年の本当のを確かめた。

被害者は加害者。高校生同士の奇妙な事件はネット社会が生んだ犯罪として注目された。

裁判の結果、刺した少年は自分の意思だけではなかったものの未遂として有罪。長い時間と手間をかけ少年を騙して刺された親友を指示したとして有罪に。ただし、二人とも未成年のため保護観察の処分となった。

その後、二人は周囲の理解と支えにより再び高校生活を送るようになり
顔を合わせることがないまま現在はそれぞれの人生を歩んでいる。

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